その昔に骨董市で手に入れて、仕事で使用しておりました。四寸(120㎜)幅の大鉋です。台はもともと付属していたものを直しながら使っていましたが、もう何年も使用していないのでオマケ程度と考えてください。(調整すれば使えると思います)ちなみに台の材料は本赤樫で、下端にヒビが散見できますが、割れてはいません。銘は信勝、刃先に向かって大きめのテーパーがついていて刃先からカエサキまでがたっぷりとありますので、関西それも大阪あたりの鍛冶屋の作かと思われます。全体に薄造りですが、鋼が波打っていますからしっかりと叩いて鍛えたものだろうと思います。銘以外の文字のデザインなどから、作られた時代は大正～昭和初期あたりのものかと思います。〈以下は私の感想です〉刃味は幅が広いのによく焼が入り、関西のものにしては粘りがあります。削ると引きが軽く、鋼が硬いだけではないものだと分かります。地金は柔らかくもなく硬くもない鋼とのバランスの良いもので、おそらくは錬鉄の類いかと思われます。アタリがよく、砥石に対してもわりと素直に反応します。奥殿蓮華敷巣板、マルカ梨地、日照の浅黄など、硬めの合砥石にも金を引くことなくよくおります。最近では大鉋を使った上仕事もありませんので、大事にしていただける方にお譲りしたいと思います。ご希望あれば、刃だけお送りすることもできます。その際もお値段は変わりません。#宮大工#堂宮師#伝統建築#鉋#大鉋#手道具