アンティークのレアなトルコ絨毯です。19世紀にヨーロッパではオリエンタル絨毯がブームになり、トルコでも盛んに織られて輸出されました。同時出品のギョルデスに比べると知名度は今ひとつですが、クラという町でもたくさん絨毯が織られました。ブダペスト応用美術館のカタログ掲載の19世紀前半とされるタイプに似ています(写真3枚目)。大体の大きさはタテ184cmヨコ115cmですが、手織りのため完全な長方形ではありません。絨毯にハマっていろいろ知りたくなり、資料として手に入れました。あまり見かけない色も含めてすべて天然染料だと思います。ギョルデスはプロの染物師が中心だったのに対して、クラは各家庭でウール糸を染めることも多く、戸口に染料の壺が置かれ、独自の染色レシピがあったようです。素材はタテ糸、ヨコ糸、パイル糸のすべてがウールです。地元で育てられたと思われる羊の毛はぽわんとした手触りで、温かみを感じさせます。パイルは全般的に短くなり、ほとんど芯しか残っていない糸の部分もありますが、無駄毛がすっかり取れてツヤツヤしています。ところどころに穴が空き、家庭で大雑把に補修された部分や、セルベッジ(絨毯の縁)がほつれるなど状態は良くありませんが、古き良き時代の手仕事を愛でてくださる方がいらっしゃればうれしいです。敷いて使うことも可能ですが、パワーのある掃除機などは避け、ベランダやお庭などでパタパタと埃を払う方がいいと思います。羊毛には汚れをはじく力があり、頻繁に洗う必要はないと思います。手持ちの絨毯やキリムを整理するため、あくまでも「襤褸」としてのお値段に設定しています。骨董にご理解のある方、どうぞよろしくお願いします。#トライバルラグ#アンティーク絨毯#キリム#ビンテージラグ#ラリーキルト